東野圭吾ミステリーズ戸田恵梨香主演
「白い凶器」の視聴率はあまり伸びなかったようですね。
7.9%と前回、長澤まさみ、安藤政信、サプライズで妻夫木聡と、
いわば、力技的なキャスティングでかなり熱の入った宣伝をしていた
「シャレードがいっぱい」ですら8.9%なので
今回に限っては別に不思議なことではないと思います。
「白い凶器」はミステリー作品ではないので、題名が東野圭吾ミステリーズである以上、謎解きを楽しみにしている人は肩透かしを食らったと思います。
あと、ラストは完全にサイコパスなので、好みがわかれるのは仕方ないですが、CMやプロモーション映像でそのことは知らされていたような気もするのですがどうでしょうか?
でも、強烈な拒否反応があっても、仕方のないような映像描写があったのは
否めないでしょうね。
(逆に言うとそれを目当てで観た視聴者には受けたんじゃないかと思います)
私も、かなり面白いと思いました。
ただ、タバコ→煙→流産という戸田恵梨香演じる中町由希子の思い込み
には、やや違和感を感じました。
でも、原作が収められた東野圭吾の「犯人のいない殺人の夜」は、
1990年に刊行された小説です。
ちなみに1988年から徐々にタバコに対して世界からの風当たりが
強くなっていて
「世界禁煙デー」が設けられた他、
「タバコとタバコ製品による健康被害に関. する WMA声明」が
第40回世界医師会(WMA)総会で採択された年でもあります。
WHO世界禁煙デーにはその年ごとにスローガンが掲げられるが
原作刊行時のスローガンは以下です。
1988年
Tobacco or health : choose health
たばこか健康か-健康を選ぼう1989年
The female smoker : at added risk
プラスされる女性喫煙者への害1990年
Growing up without tobacco
子供に無煙環境を
女性、子供というキーワードが目を引くような気がします。
私は、その時まだ物心ついて、間もなかったのですが
よく、コンビニでタバコのショーケースの横に禁煙パイポなるものが
売られていたのが記憶に残っています。
今では、芸能人が禁煙に成功して本を出版したりするのですが、
当時は、健康被害に対する懸念とタバコは文化という全く逆の価値観が
混在していたと思うのです。(禁煙パイポの件だってそうだと思います。)
そういう社会的な背景を思い描きながら楽しむとただのサイコパス
よりも深くストーリーを感じることができるかなと思いました。
私も何も考えずなんとなく観ていたので、昔の作品は解釈が難しいなと
思いました。
多分、あと、10年すれば死刑制度廃止前の時効期間を取り扱った
小説に若い人は共感できないと思います。
時間の流れで、根本的な価値観も変わってくるので面白いし、
あるいは、それがまるで煙のようで知らないうちに時代の空気を
当たり前に吸ってしまっているから、狂気を生むのかもしれませんね。
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